髪は夏に老ける
「最近、なんか髪が老けた気がする。」
夏の終わりに、そんなことを思うことがあります。
でも、髪が急に老けたわけではありません。
たぶん、少しずつ「夏を覚えている」のです。
髪は肌と違って、日焼けして赤くなることもなければ痛くなることもありません。
だから紫外線を浴びても、
「今日は結構焼けたな。」
とは、なかなか思わないです。
でも、髪の中では少しずつ変化が起きています。
紫外線は髪のタンパク質に影響を与え、ツヤや手触り、カラーの色味にも変化をもたらします。
そして夏は、紫外線だけではありません。
汗、海、プール、冷房。
強い日差しの中で過ごす時間。
濡れた髪をそのままにしたり、タオルで強くこすったりすること。
一つ一つは、大したことではないのかもしれません。でもそれが何度も繰り返される。

だから夏の終わり頃になって、
「カラーが抜けた。」
「髪がパサつく。」
「なんとなくツヤがない。」
「前よりまとまらない。」
そんな変化になって、初めて気づく。
その日に傷んだことを教えてくれないです。少し時間が経ってから、
「あの夏、結構無理してたんだな。」
と教えてくれます。
夏になれば、肌のケアは自然と意識する。
肌には日焼け止めを塗る。
化粧水をつける。
美容液を使う。
でも髪には、
「まあ、シャンプーしておけば大丈夫。」
と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
僕は、ここを少し変えてほしいと思っています。
髪も肌と同じで、今の状態だけじゃなく、これからのことを考えてケアしてほしいと思っています。
特別なことを、たくさんする必要はありません。
帽子をかぶる。
強い日差しを長時間浴び続けない。
濡れた髪をそのままにしない。
タオルで強くこすらない。
そして、自分の髪に合ったシャンプーでやさしく洗い、きちんと乾かす。
夏が終わってから慌てるより、夏の間に少しだけ気をつけてあげる。
夏の終わりに、
「なんか髪が老けた気がする...」
と感じたら、
年齢のせいにする前に、
今年の夏を少し思い出してみてください。
どれだけ
太陽の下にいたか。海やプールに入ったか。
髪を濡らしたか。
その髪は、あなたが楽しんだ夏を、
ちゃんと覚えているのかもしれません。
僕自身も、今年の夏は太陽の下で過ごす時間が多かったので、ここから少し髪を労わってあげようと思っています。

Column by @ryo0603
Hair Makeup Artist
2005年よりヘアスタイリスト・メイクアップアーティストとしてキャリアをスタート。力強さと繊細さが共存するマスキュリンな表現を特徴とし、アートワークやCMなど幅広い分野で活躍。数々のアーティストや雑誌からの信頼を獲得する。2022年、OFFICE KOBAYASHI Inc. を設立。